あなたにとって、ムラマツとは?

私が所属しているチェコ・フィルハーモニーは、伝統的な柔らかい音色を持っています。実はこの中で演奏するためには、単純に柔らかい音を出しても客席まで届かず、力強さも伴った柔らかい音を出さなければなりません。また、ドヴォルザークをはじめ、スメタナやマーラーなど、チェコにゆかりのある作曲家の、難易度の高い作品を演奏する機会が非常に多く、ムラマツの多彩な音色や完璧なメカニックにはいつも助けられています。私の同僚や前任のラドミール・ピヴォダ氏が、皆ムラマツを吹く理由が良くわかります。自分の調子が良い時も悪い時も、それから少し冒険したいような時も、どんな状態であっても演奏をしっかりとサポートしてくれる楽器がムラマツです。