私は恐らくムラマツフルートを吹いた最初のフランスのプロの笛吹きでしょう。60年代に、その頃に最も知られていたフランスのオーケストラである、パリ音楽院管弦楽団が日本に招待され、私はそのメンバーだったのです。私達は皆、今まで思ってもみなかったこの日本のことを発見しました。銀座を友人とぶらぶら歩いて、とても大きな楽器店に入ったのです。私はそこで聞いたことのないブランドのフルートを見たのです。それを試してみました。奇跡でした!! 素晴らしかった。翌日、ムラマツのスタッフに会い、そして2年後にソリストとして来日した折、国際的ムラマツ吹きの一員になったのです。その後、いろいろな楽器も試しましたが、やはりこのムラマツとの出会いに戻りました。それ以来ずっとムラマツを吹いています。
私は日本とその文化が大変好きです。ここには個人の生活の改善と混ざり合う、最も強烈なモダニズムがあります。最近でも、人目につかない庭園の魅力や、優美なお箸、すてきな磁器、そして芸術作品のように配置されたお皿を置いた小さな料理屋さんを見つけることができます。ムラマツフルートは、技術研究と重要な製作とをうまく取り入れた伝統的なハンドメイドで、細部まで素晴らしいフルートです。その上に、いつも変わらない、心の暖かさ、親切心を持つ“ムラマツ・ファミリー”には、笛吹きにもしばしば見受けられる神経質な人への思いやりがいつでもあるのです。